【3】自分が性同一性障害だと気付くまでの話

こんにちは、浅木です。
前回の記事では、主に幼少期のことを振り返って
第二次性徴の時期に感じていたことをお伝えしました。

今回は、引き続き中学時代のことと
当時を振り返って考えたことについてお話ししようと思います。

中学校時代

第二次性徴を迎えると、
自分の身体への嫌悪感が悪化しました。
それまでは、他人に指摘される瞬間以外は
見て見ぬふり、気付かないふりができた
「自分は女の子である」という事実が
無視できないものになってきたのはこの時期からです。

というのも、この時期から胸が膨らんだり
制服がスカートだったりと、常に「女の子である」要素を
身体そのものが纏うようになってくるからです。

これはMTFの方にも同様のことが言えますが、
身体の成長に伴って、周囲の反応も含めて
「男」「女」という概念がはっきりしてくるのがこの時期です。

このころ、FTM当事者である僕が
一体どうやって中学時代を過ごしていたのか。

できるかぎり、感情と感覚を鈍らせて
自分の中の負の感情を見ないようにしていました。

つらいとか苦しいとか、
精神的な痛覚とも言える感情は
表層意識に上げると途端にしんどくなってしまったので、
負の感情が湧いてくるのに気付いたら
すぐさまそれを心の奥深くに閉じ込めて
自分は平気だ」と強く強く念じました。

自分は普通で」「自分はいい子で
つらいことなんか何もない」と。

自分の気持ちをすべて押しつぶすことで、
なんとか普通に生きようとした、というのが
当時僕が考えた最善策でした。

当時を振り返って思うこと

上述した内容は、中学時代の僕が
やっとのことで編み出した苦肉の策でした。

ですが、これは今振り返るとよくわかるのですが
感情的な痛覚(つらい、苦しいという気持ち)を
押し殺し続ける期間が長いと、遅かれ早かれ精神が摩耗し、
心理的に追い詰められた状態に陥ってしまいます。

身体に例えると分かりやすいのですが
自分の気持ちを押し殺す、という対処法は
転んで膝をすりむいて痛いときに
痛みを我慢して、黙って一人で歩いていくのと
同じくらい危険な状態です。

歩いているうちに傷口は乾いて血は止まるかもしれませんが
感染症にかかるかもしれませんし、次に転んだ時
もっとひどい傷になってしまうかもしれません。
黙って歩いているせいで誰も傷口に気付きませんし、
歩いている本人も、傷を無視しているので治療もできません。

身体に例えればこれがいかに危険な状態か
お分かりいただけたと思いますが
心となると、傷口が目に見えないぶん
こういった無茶を押し通してしまいがちです。

心の傷は命に関わる

これは大事なことなので、あえて強い言葉を使います。

心の傷は、命に関わります。

身体に受けた傷と同じかそれ以上に、
心の傷は人に深い損傷を与えます。
ひとつひとつは小さいものでも蓄積すれば大きな損傷になります。
たとえ一度きりでも非常に重い傷を負ったりすると、
それは比喩でなく致命傷です。命に関わる場合があります。

ぜひ、他人事だと思わず
「なかったことにしている気持ちはないか」
「我慢するしかない、と押し殺している感情はないか」
よくよく自分に問いかけてみてください。

ではどうすればいいの?

専門機関に相談しましょう。
具体的には、性同一性障害を扱っている
クリニックや精神科・心療内科を探しましょう。
(※専門機関の探し方はこちらの記事を参考にしてください)

身近な人や保健室の先生、担任の先生に相談するのは
基本的にはお勧めできません。
何故なら、彼らは性同一性障害や
性別に関する専門知識は持っていないからです。

絶対に相談するな、とは申しませんが
基本的に、性同一性障害に関しては
ほとんどの人が「聞いたことはあるけどよく知らない」
くらいの知識量です。

その状態で、身近な人間に「性同一性障害だ」と相談されたら
大抵の人が面食らってしまい、場合によっては悪意なく
そうなのかな?」「そんなことないんじゃない?」と
反射的に言ってしまう場合があります。

詳しくは別の機会にお話ししますが、
生まれて初めて、性同一性障害について人に話すとき
相手の反応がそういったものになると
自分で思っていた以上に傷ついてしまうことがあります。

そういった事態を避けるためにも、
まずは専門機関に相談することをおすすめします。

専門機関に相談することは、決して大げさなことではありませんし
身体に何の異常がなくても、心に違和感や悩みがあるのなら
専門家の力を頼るべきだと、僕は考えています。
足を骨折したら、病院に行って治療を受けますよね?
心も同じです。ケガをしたら、専門家に見てもらうべきです。

それでは、次回は僕が高校に入学してからのお話をしようと思います。
よろしければお付き合いくださいね。

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