性分化疾患(DSD)って何? 性同一性障害との違いは?

性同一性障害(GID)とよく混同されるのが、
性分化疾患(DSD)です。

性的マイノリティーを表す言葉としてよく用いられる
LGBTで言えば、T(トランスジェンダー)に含まれるのが
性同一性障害(GID)ですが、
性分化疾患はトランスジェンダーではありません。

トランスジェンダーとは、
身体的な性別と性自認が食い違っている人を
指す言葉でしたね。

一方、性分化疾患は
「身体の性別、もしくは性別の発達が
先天的に非定型である状態」を指します。

※非定型=定型の反対語。典型的ではないこと。

言い換えれば、
「うまれつき、身体が一般的に
『男』『女』とされる典型的な形と
一致しない点が多い」状態です。

この疾患は、性同一性障害に比べ
知名度が低いように思われます。

そこで、今回は性分化疾患について、
性同一性障害とどう違っているのかを含めて
解説していきたいと思います。

性分化疾患(DSD)

この性分化疾患という名称ですが、
現在医学領域においては
この名称が正式に使用されているようです。

以前使われていたインターセックスや
半陰陽という言葉がすこしわかりづらかったのと、
やや侮蔑的なニュアンスを含んでいる点が問題視されて
性分化疾患(DSD)が正式名称となりました。

性分化疾患ってどういう状態なの?

性別を決定する染色体(性染色体)に異常があったり
染色体自体は正常でも数が1本多い、
もしくは少ないなどの理由で
非定型な特徴を有している。

また、内分泌系の疾患から性ホルモンの分泌が
やや特殊なものになる……など
他にもさまざまな要因から、
身体的な性別が非定型な状態で生まれてくる、
もしくは思春期に非定型な発達を遂げることを言います。

といってもその症状は本当にさまざまです。
何故なら、性分化疾患という言葉は、
「性別に関する特徴が、定型とは違った発達をする」
という症状を呈する多くの疾患を
ひとくくりにしたものの名称だからです。

乳製品という言葉が、
牛乳を使った食べ物や飲み物といった
「カテゴリ」を指す言葉であるのと同様に、
性分化疾患もまた、
「身体の性別がはっきり区別できない」という
「カテゴリ」でしかないのです。

疾患の一例

  • ターナー症候群(性染色体が「X」のみ)
  • クラインフェルター症候群(性染色体が「XXY」)
  • 完全型アンドロゲン不応症
  • 副腎皮質過形成

……などなど、本当にさまざまです。
性分化疾患と呼ばれるのも「総称」として
まとめて呼ぶ時だけで、
実際には上記の疾患名のほうが多く使われるそうです。

よくある思い違い

実際のところ昔は僕も完全に勘違いしていたのですが、
「性分化疾患の人はみんな中性的」
というイメージを抱かれやすいらしく
そういったイメージを自分に当てはめられるのは苦痛だ、
と感じる人もかなりの数いらっしゃるとのこと。

実際には自分が男か女か、
はっきりとした性自認を持っている人が多いのです。

漫画やドラマなどのイメージから
「出生時に割り当てられた性に
同一性を感じられず、苦しむ」といった印象が強く
むしろそういったレッテルを張られることに
強い拒否感を抱く方が多いそうです。

出生時に割り当てられる性別というのも、
ほとんどの性分化疾患では問題なく機能しています。
つまり、多くの性分化疾患においては
出生時の検査によって性別がすぐに判明したり
将来どちらに性同一性を感じるかということも
ほとんどはっきりしているとのこと。

たとえば、ターナー症候群
女性であれば通常は性染色体が「XX」であるところ
「X」1本しか存在しない疾患です。
この場合、性同一性は「女性」です。

クラインフェルター症候群は性染色体が「XXY」となる
疾患ですが、この場合は性自認が「男性」になります。

もちろん、稀に性自認が「中性」や「無性」となる
Xジェンダーの方もいらっしゃいますが、
それは健常者の中にXジェンダーの方が存在するのと
ほとんど変わらない確率です。

つまり、性分化疾患だからといって
みんながみんな「中性」であったり
その割合が多い、ということはありません。

「性分化疾患=性自認は中性」
というイメージからか、
稀に性同一性障害と混同されますが
この2つの疾患はまったく性質の異なるものです。

就活中に性分化疾患の方と出会った話

僕も実際、就活中に
クラインフェルター症候群の方とお会いしたことがあります。
ほんとうに偶然、最終面接まで進んだ会社の
とある部署に所属する男性社員の方でした。

いや、もう完全に男性でしたね。
言われて初めて、確かに華奢だし手足が長いかな?
と感じた程度でした。

普通に男性として生活している方でしたので、
これは確かに「性分化疾患は中性的」
というイメージを押し付けられては不快に感じるだろうな、
と思ったのを覚えています。

まとめ

・性分化疾患=中性的 というのは間違い
・イメージで物事を判断するのはやめよう

性同一性障害に比べてやや知名度の低い性分化疾患ですが、
これから少しずつでも理解が広まればいいなと思います。

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